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ベートーベンとバーバラ、聴覚を失っても音楽は失わなかった - 東亜日報


音楽学者である著者は、二人の人生を記録する。一人は、今年で生誕250周年を迎えた「音楽の聖者」ベートーベン。もう一人は、著者の妻バーバラだ。二人とも、ひどくなる聴力喪失で苦しんだ。

バーバラは脳腫瘍を克服後、しばらくは異常がなかったが、次第に聴覚が悪くなった。ある日、右側の聴力を失い、3年後は左耳まで聞こえなくなった。6ヶ月が過ぎた後、音を聴神経に伝える「人工内耳」の移植手術を受ける。彼女の神経と脳は、生硬な信号を過去の経験と接続させる奇跡を起こす。バーバラはやがて夫の声を区別し、音楽を楽しむことになる。

巨匠の聴力喪失という大きなテーマを扱うために、「柔らかな」プライバシーを取り込んだとは読まれない。この個人的な経験を通して、著者はベートーベンの作業と精神の行路を理解する豊かな手がかりを得る。

ベートーベンは「音楽を失った」と嘆かなかった。人とのコミュニケーションを失うことを悲しむだけだった。そして彼は音楽を作る新しい方法を開発する。有名な交響曲第5番の冒頭から分かるように、リズムと短い動機を強調することになる。

徐々にベートーベンの作業には、耳よりは楽譜を構成する「目」が大きな役割をした。草稿作業が長くなり、目が作曲を主導しながら、ベートーベンはエレガントな「ギャラン」スタイルで代表れた以前の時代の音楽から脱して、新しい境地の音楽を創造した。「ベートーベンは難聴で魂の底まで下りて、そのやせた土地で芽を咲かせた」と著者は力説する。

蛇足。最近の外信を引用して、ベートーベンは晩年まで「完全に」聴力を失ってはいなかったという分析が伝えられたことがある。この本に引用された文献から分かるように、それ自体で「新しい」ことではない。

ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com

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February 08, 2020 at 06:55AM
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