Search

TOKYOまちひと物語人より良い美味しい枝豆作り ... - 産経ニュース

収穫したばかりの枝豆を手に笑顔をみせる増田久助さん=6日、東京都足立区

気温30度を超える真夏日が続き、ビールがおいしくなる季節。ビールに合うおつまみとして定番なのが枝豆だ。東京都足立区の増田久助さん(95)はそんな枝豆栽培に携わること80年以上のベテラン中のベテラン。いまなお「おいしい枝豆を作りたい」と栽培方法に工夫を凝らし続けている。

こだわりの肥料

代々続く農家に生まれた増田さんは、尋常小学校3年生の頃から放課後に農作業を手伝うようになった。10代になると、深夜2時ごろに自宅を出発し、徒歩で築地へ収穫した野菜を届けることもあったという。

増田さんが幼少の頃、足立区には枝豆農家が多く、増田さんは「枝豆の産地だった」と話す。先の大戦時には「野菜は作るな」と言われ、小麦や芋などに転換することも経験した。

終戦後、再び枝豆の栽培を始めた増田さんは、よりおいしい枝豆を作ろうと研究を重ねていく。「畑が大事」と増田さん。こだわりは肥料にある。

あるとき、近所のそば屋の店主から「だしに使った後のかつお節がもったいないから何かに使えないか」と持ち掛けられた。試しにもらって、乾燥させたのち、粉砕して肥料として畑にまいてみた。続けること10年、変化があった。「同じ品種なのに甘みが強くなった」

その後も毎年まきつづけると、さらにその効果が表れ「増田さんの育てる枝豆は甘みが強い」と評判になった。茹(ゆ)でて食べてみると、かむほどに口の中に甘味が広がる。今では、スーパーへ出荷するとあっという間に売り切れる。

収穫期は6月中旬~8月中旬の約2カ月。栽培期間は約4カ月で、3月ごろから種をまき、苗を育て始め、育った苗を畑に植えていく。95歳となった今でも、収穫期は毎朝6時前に起き、8時過ぎから約3時間、枝豆の枝を切る作業などを手際よく行う。

秘訣(ひけつ)は農作業と会話

健康の秘訣は農作業などで動くことと、会話をすることという。作業の間に必ず取っている休憩時間には、お茶やお菓子を並べ、作業を手伝うボランティアの人たちと会話に花を咲かせる。午前中に出荷作業を終えると、一度昼寝し、夕方再び草むしりなどの農作業に精を出す。春先には、耕運機に乗り自ら畑を耕している。

枝豆栽培の傍らで、自家用にインゲンなどの野菜も作っており、作業を手伝うボランティアにおすそ分けすることもある。「スーパーで買うインゲンよりも柔らかくておいしい」とボランティアからも好評だ。

4年ほど前からは長男の和雄さん(68)も農作業を手伝っている。いまだ現役の父親について「私が母のおなかの中にいるときから枝豆を作り続けているなんて、化け物だと思う」と冗談を言いながら「これからも元気に農作業を続けてほしい」と話す。

増田さんは「1日2合は飲んでいた」というお酒を80歳を機にやめ、健康の維持に余念がない。「人よりもいいもの、おいしいものを作りたい気持ちは今でも変わらない」と枝豆栽培に情熱を注ぎ続ける。(長橋和之)

Adblock test (Why?)



from "美味しい" - Google ニュース https://ift.tt/zFa4QUR
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

0 Response to "TOKYOまちひと物語人より良い美味しい枝豆作り ... - 産経ニュース"

Post a Comment

Powered by Blogger.