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鶏とそばつゆがしみじみ美味しい山形のラーメン「鳥中華」の作り方【美窪たえ】 - メシ通

こんにちは! 料理家の美窪たえです。

本日は、そばつゆと天かすで食べる和風ラーメン「鳥中華」をご紹介します。

「鳥中華」は山形県発祥のご当地ラーメンです。

カップ麺として商品化されるなど、その名前は全国に広まりつつあります。

老舗そば店のまかないが発祥というこのラーメン。一番の特徴は、そば店ならではの「うま味の強いそばつゆスープで中華麺を食べる」ということ。そしてそのおいしさを盛り立てる具材にも特徴があり、欠かせないのが「天かす」です。

仕上げに入れる天かすのトッピングは、いわばラーメンでいうところの「背脂」の役割。完全和風のそばつゆスープに、パンチと深みを与えてくれるのです。

家にある調味料となじみのある材料だけで「こんな家ラーメンもあり!」という新鮮な一杯が出来上がるレシピとなっています。

しみじみおいしいくせになる味わい、かつたんぱく質も採れる料理なのでぜひ一度お試しください!

材料(1人前)

  • 鶏もも肉……120g(1/2枚)
  • 中華麺……1玉

〈そばつゆスープ〉

  • だし(通常の2倍の濃さで用意)……400cc
  • 煮干し……5本
  • しょうゆ……大さじ2
  • みりん……大さじ1
  • 砂糖……小さじ1
  • 塩……小さじ1/2

〈トッピング〉

  • 天かす……30g
  • 長ネギ……1/4本
  • 三つ葉……3本
  • 海苔……適量
  • なると(お好みで)……適量
  • 黒こしょう……適量

そば屋さんのラーメン「鳥中華」の作り方

1.ラーメンでも重要な役目を果たすスープ。

今回ご紹介するそば屋生まれの鳥中華では、「かけそば」風のそばつゆを目指します。普段おみそ汁などに使っているお好みのだしを「いつもの倍の濃さ」で準備し、そこへ煮干しを加えます。(今回は、カツオ昆布ベースのだしパックを袋に表示された倍の濃さで煮出しただしを使っています。)

煮干しは通常、そばのだしにはあまり使われませんが、家でだしを取るときには濃厚な魚系のうま味を手軽に加えることができる頼もしい材料です。ラーメンのスープによく使われているあのおなじみの香りもあり、この煮干し風味が「ラーメンらしさ」を感じさせてくれます。

そば屋さんで作るだしは、混合したカツオやサバの厚削り節をしっかり煮出して取ることが多いですが、そのまま家で再現するのは材料費も時間もかさみなかなか大変。だからこそ、普段使いのだしに一工夫して、できるだけうま味の強いそばつゆを作っていくのがポイントです。

大きい煮干しの場合は、頭を取り、身を半分に割って内臓を取り除くとえぐみのないすっきりとした味わいになりますよ。

そして今回のレシピで一番頑張っていただきたいポイントが「おいしい天かすを手に入れる」ことです。

この鳥中華のうまさを決定付けるのは「天かす」であるといっても過言ではなく、いわばラーメンでいう「背脂」的役割といえば、その重要性がお分かりいただけるでしょうか。

街場にある揚げ物の専門店でも帰りにお土産として分けてくれるお店がありますね。またお惣菜コーナーに天ぷらがあるスーパーなら、その片隅に天かすだけをパックに詰めて売っていることもよくあります。このような「おいしい天かす」を手に入れることが、今回のレシピで一番のポイントとなります。

お好み焼きなどに使うパック入りの市販品もありますが、可能であればおいしそうな天かすが手に入る場所を普段から気にかけておくことをオススメします。(天かすは冷凍保存が可能です。)

2.他のトッピングも準備します。長ネギは縦半分に切ってから、斜め薄切りにします。

三つ葉は3〜4cmのざくに切りに。三つ葉の和の香りはそばつゆとの相性が抜群で、中華麺と合わせても不思議とよくなじみます。

他に、海苔、なると(あればお好みで)もそろえておいてくださいね。

3.だし、トッピングまで準備ができたら、いよいよそばつゆスープを完成させて、仕上げていきましょう。(だしパックを使用した場合は、取り出しておきます。)

鶏もも肉を一口大に切り、だしと一緒に鍋に入れて、中火にかけます。だしと鶏もも肉を低めの温度から一緒に温めていくことで、鶏もも肉のうま味をそばつゆスープに引き出しましょう。

だしが沸いてきたらそばつゆスープの残りの調味料を全て加え、あっという間にそばつゆスープの出来上がり。あとは麺をゆでて盛り付ければ完成です。

麺をゆで始めるといよいよ時間との勝負になります。トッピング類をすぐに手に取れる位置にスタンバイ。丼はあらかじめお湯で温めておき、万全の準備を整えましょう。

4.別の鍋に湯(分量外)を沸かして、袋の表示通りに麺をゆでます。

麺の太さは好みがあるとは思いますが、普段は太麺好きな方も、できればここは「細麺」を選んでいただくのがオススメです。家で作るラーメンの場合、できる限りの工夫をしても、どうしてもお店のスープとはインパクトが違ってきます。そこで細麺を使うことにより、そばつゆスープが麺に負けてしまうことを防ぎます。 

麺をゆでる間に、丼に黒こしょうをたっぷり入れ、しっかり熱々に温めたそばつゆスープを注ぎます。鶏もも肉は最後に麺の上にのせるのでまだ鍋に残しておいてください。
このとき、煮干しも鍋に残したままにしておきましょう。

たっぷりの黒こしょうも、ラーメンらしさを一気に増してくれる鍵です。煮干しとしょうゆ、黒こしょうの香りが混ざり合った瞬間に、どこか懐かしいラーメンの雰囲気が一気に漂います。

5.麺がゆで上がったらしっかり湯切りして手早くそばつゆスープに入れ、軽くほぐして整えます。

その上に鶏もも肉、

長ネギ、三つ葉、海苔、なるとをのせ、最後に天かすをたっぷりトッピングすれば鳥中華の完成です。

お好みで、さらにたっぷり黒こしょうを振ってお召し上がりください!

そば屋さんのラーメン「鳥中華」の楽しみ方

熱々のうちにいただきましょう。

まずはそばつゆスープを一口。奥に煮干しが香る濃厚なだしとしょうゆ風味に、黒こしょうが鼻に抜け、これは間違いなくラーメンの味わいです。

見た目は非常に和風で落ち着きのあるたたずまいですが、天かすから溶け出した油のコクでうま味も十分です!

ぜひ追い黒こしょう、追い天かすで味を変えながら、お楽しみください。

細麺とそばつゆスープのバランスも良好。天かすのコクに続いて、三つ葉が爽やかに香り後味すっきり、そばつゆスープも全て飲み干せてしまう優しいおいしさです。

まとめ

家でも作れる和風ラーメン「鳥中華」。普段使いのだしを少し濃い目にして煮干しを加えるだけで味がガラッと変わり、新鮮なおいしさが楽しめます。山形県に出掛けた気分で、しみじみおいしいくせになる味わいを、ぜひ一度お試しください!

書いた人:美窪たえ

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料理する人、食べる人。J.S.A.認定ソムリエ、SAKE DIPLOMA。OLからバーテンダー⇒日本料理人⇒フレンチコック⇒アメリカンデリという、異色の経歴を持つ料理家。料理のおいしさと酒への思いを発信するユニット[おとな料理制作室]としても活動。著書『おとな料理制作室へようこそ』(ワニブックス)が好評発売中。

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