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山陰中央新報社|音楽トリビア特別編 なるほど!オーケストラ - 山陰中央新報

 皆(みな)さんは、オーケストラって知っているよね? そう、映画(えいが)「スパイダーマン」や「ハリー・ポッター」、心がウキウキするディズニーランドのパレードの音楽も、オーケストラの演奏(えんそう)だよ。

 今年1月には、クラシック音楽界最(さい)高(こう)峰(ほう)の楽団(がくだん)、ウィーン・フィルハーモニー管(かん)弦(げん)楽(がく)団(だん)が、「スター・ウォーズ」など多くの映画音楽を作曲したアメリカのジョン・ウィリアムズさん(88)を指揮者(しきしゃ)に迎(むか)えて映画音楽を演奏。ふだんはベートーベンの交(こう)響(きょう)曲(きょく)やオペラなどを演奏する同楽団も、ノリノリの演奏を繰(く)り広げました。この演奏は既(すで)に一部がユーチューブで楽しめるほか、14日にはCDやブルーレイディスクが発売されるよ。

 そんな映画音楽も、原点はクラシック。難(むずか)しそうだけど、案外とっつきやすさも。音楽トリビア特別(とくべつ)編(へん)では、そんなクラシック音楽の楽しみ方を紹介(しょうかい)。夏休みに、名曲を聴(き)いてみては? 

演奏時間 こんなに違うの?!

 クラシック音楽って、同じ曲なら演奏(えんそう)時間も同じくらいって思っていませんか? ところが、違(ちが)うんです。だから、同じ曲を違う指(し)揮(き)者(しゃ)やオーケストラで聴(き)き比(くら)べるのも楽しみの一つです。

 よく知られる、「ダダダダーン」のメロディーで始まるベートーベンの交響曲(こうきょうきょく)第5番。日本で「運命」と呼(よ)ばれるこの曲は、演奏の違いがよく分かりますよ。

 「運命」は、1910年にオーケストラの演奏によるレコードが初めて録音されて以来、たくさんのレコードが作られています。

 記者が持つ同曲のレコードやCDのうち、25種類を選び最初の第1楽章(がくしょう)の演奏時間を比べると、一番短いのは6分01秒、最も長いのは8分54秒と、その差は約3分も。同じ指揮者でも、年代により演奏が変わったことも感じ取れます。

 理由はいろいろありますが、指揮者は作曲家が遺(のこ)した手紙や直筆(じきひつ)の楽(がく)譜(ふ)を読み、どういう時代、思いで曲が作られたのかを常(つね)に考えます。曲のテンポや楽譜に書かれた繰(く)り返し記号を無視(むし)する、しないの違いが演奏に表れるのでしょう。

打楽器の出番、1回だけの曲も

 オーケストラが演奏する交(こう)響(きょう)曲(きょく)には、全曲の演奏時間が45~50分もあるのに、打楽器のドラやシンバルの出番がわずか1回だけの名曲があります。受け持つ楽員は、1発を鳴らすだけの仕事に全力を注ぎます。

 ドラは、チャイコフスキーの第6番「悲(ひ)愴(そう)」第4楽(がく)章(しょう)の開始から7分50秒前後の箇(か)所(しょ)で死を暗(あん)示(じ)するように、シンバルはドボルザークの第9番「新世界から」第4楽章の開始から1分50秒前後の箇所で、それぞれ小さく鳴らされるだけ。

 ティンパニ奏者と違(ちが)い、ドラ、シンバル奏者は、出番が来るまでじっと待ち続けます。どの曲も、その場面で音が鳴らないとしまらなくなるだけに、失敗したら大変です。

 CDで聴(き)くときは、耳をすましていないと聞き逃(のが)すほどの音量です。「運命」のクラリネットと同じように、なぜその楽器が用いられたのか、思いをはせてみませんか?

全員で一つの楽器

 紙面中央のイラストは、現代(げんだい)のオーケストラの楽器配(はい)置(ち)例です。時代やオーケストラによって配置が異(こと)なりますが、客席から見て左の手前2列が主にメロディーを弾(ひ)く第1バイオリン、その奥(おく)隣(どなり)が伴奏(ばんそう)を担当(たんとう)する第2バイオリンで、さらに右に音程(おんてい)が低いビオラ、チェロ、コントラバスの弦(げん)楽(がっ)器(き)が並(なら)びます。

 弦楽器群の後ろ側にはフルートやトランペットなどの管楽器、ティンパニ、太(たい)鼓(こ)などの打楽器が並び、曲によってはピアノやハープなども加わります。

 オーケストラは、数十~100人で編成(へんせい)され、「一つの楽器」となって音楽を奏(かな)でます。

クラリネットが、響に一役

 上に、「運命」の有名な出だし部分の総(そう)譜(ふ)(スコア)を載(の)せました。この部分、バイオリンなど弦楽器が「ダダダダーン」の主題を力強く演奏(えんそう)しますが、なぜかクラリネット2本も一(いっ)緒(しょ)に演奏するように書かれています。

 記者は何種類かのCDを何度も試(し)聴(ちょう)しましたが、クラリネットの音は聴(き)き取れませんでした。

 しかし、山陰(さんいん)フィルの指揮者で松(まつ)江(え)市立本庄(ほんじょう)中学校の音楽教員今(いま)岡(おか)正(まさ)治(はる)さん(62)は、記者のCDを聴き、すぐに「クラリネットが聞こえる」と一言。「“音”ではなく、“響(ひび)き”で感じ取れます」と話しました。

 なぜ、作曲したベートーベンはクラリネットを演奏に加えたのか-。今岡さんは、「運命が作曲された時代(1808年に完成)のオーケストラは人数が少ないため響きが薄(うす)く、リズムに芯(しん)ができるようにしたいと考えたからではないか」と解説(かいせつ)しました。

 皆(みな)さんもクラリネットが聞こえるか、挑戦(ちょうせん)してみてください。聞こえたら、すごい! 将来(しょうらい)、指揮者になれるかもしれませんよ。

▲秋(あき)山(やま)和(かず)慶(よし)さん指揮広島交響楽団が「運命」第1楽章を演奏する様子が動画で見られるよ!

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August 05, 2020 at 01:46PM
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