2020年前半、もっとも大きなブレイクを果たしたニューカマーがYOASOBIであることは間違いないだろう。 【動画】YOASOBI「ハルジオン」Official Music Video 2019年11月にリリースされたデビュー曲「夜に駆ける」がサブスクリプション・差サービス、YouTubeなどで大ヒット。11月16日に公開されたMVは今年に入ってから一気に再生数を増やし、6月24日現在で3,000万回を突破。さらにTiKTokの関連動画、カバー動画なども急激に増加している。また、Spotify、Apple Musicなどのストリーミング・サービスでも存在感を増し、地上波の情報番組でも取り上げられなど、一気に知名度を上げた。あいみょん、Offical髭男dism、King Gnuなどと同じように、SNSやストリーミングを中心に人気を集めた現代型のアーティストであり、2020年を象徴するニューカマーだと言っていい。 コンボーザーのAyase、ボーカリストのIkuraによるユニット・YOASOBI。その最大の特徴であり、このユニットの核となっているのが、“小説を音楽にする”というコンセプトだ。 もともとAyaseとIkuraは別々に音楽活動を行っていた。Ayaseは2018年末に発表した「先天性アサルトガール」から活動をスタートさせたボカロP。「ラストリゾート」「幽霊東京」などをネットシーンでヒットさせる一方、歌い手としてのセルフカバーでも支持を集めている。米津玄師などと同じく、深い歌心を持ったボカロPの系譜にあるクリエイターだ。2000年生まれのシンガーのIkuraは、中学3年の頃からシンガーソングライター・幾多りらとして活動。2017年からアコースティック・セッション・ユニット“ぷらそにか”にも参加し、幅広い層のリスナーを獲得している。 両者がユニットを結成したきっかけは、ソニー・ミュージックエンタテインメント主催コンテスト「モノコン2019」(テーマに沿って投稿された物語の中から優秀作品を選出し、ショートムービーやコミック、オーディオブック、ミュージックビデオなどさまざまな形に作品化するという趣旨のコンテスト)。“夏の夜、君と僕の焦燥。”というお題で行われた同コンテストで選ばれた作品を音楽にするために結成されたのが、YOASOBIだ。現在大ヒット中のデビュー曲「夜に駆ける」は、このコンテストで大賞を受賞した小説『タナトスの誘惑』(ソニーミュージック賞)をモチーフに“楽曲化”された作品。エロス(=生に対する欲動)、タナトス(=死に対する欲動)という人間の根源的な欲望を描いた小説のストーリーや世界観と重なりながら、圧倒的なスピード感と膨大な情報量を現代的なポップチューンに仕立てた「夜に駆ける」は、“物語と音楽が生み出す刺激的なケミストリー”というYOASOBIのコンセプトを端的に示している。 今年1月に公開された楽曲「あの夢をなぞって」も、小説を下敷きした作品だ。原作は『タナトスの誘惑』と同様、昨年の「モノコン2019」で大賞を獲得した『夢の雫と星の花』。花火大会での「好きだよ」という告白からはじまるこの小説は、切なさと愛おしさ、焦燥感を叙情的に描いた恋愛物語。“夜の空を飾る綺麗な花”というIkuraの独唱からはじまるYOASOBIの「あの夢をなぞって」は、心地よいスピード感と起伏に富んだメロディ、原作小説のストーリーを織り込んだ歌詞を含め、このユニットの特性をさらに突き詰めた楽曲と言えるだろう。 さらに5月には、第3弾となる配信シングルが発表された。タイトルは「ハルジオン」。 『スクロール』『楽しかったよね』などの著作がある作家・橋爪駿輝が書き下ろした短編小説『それでも、ハッピーエンド』をした軸にした楽曲だ。初めてプロの小説家とタッグを組んだことで、YOASOBIの音楽世界はさらなる広がりを見せている。 アコギの響きと打ち込みのトラックを融合させたアレンジ、サビに入った瞬間に気持ちよく広がるメロディが印象的な「ハルジオン」は、Ayaseの卓越したポップセンスを改めて証明。また、<ただもう一度だけ会いたい>という思いを抱えながら、少しずつ前に進もうとする決意を描いた歌詞をまっすぐに伝えるIkuraのボーカルも絶品だ。“小説を音楽に変換する”というコンセプトに注目が集まっているYOASOBIだが、その根底にあるのは言うまでもなく、Ayaseのソングライティング/サウンドメイクの才能であり、Ikuraの表情豊かなボーカルなのだと思う。 今年の1月から2月にかけて、YOASOBIの新曲のための原作小説を対象にした“夜遊びコンテスト”が行われ、『世界の終わりと、さよならのうた』『たぶん』の2作を選出。今後、この2作をテーマにした楽曲が発表されることになりそうだ。さらに「あの夢をなぞって」の原作小説「夢の雫と星の花」のコミカライズ作品の配信が決定するなど、メディアの幅も広がっている。近い将来、アニメーションや実写映画などに展開する可能性も大いにありそうだ。80年代あたりから始まったメディアミックスの手法を継承しつつ、SNSやストリーミングという現代のプラットフォームを活かして進化し続けるYOASOBI。古典的な方法論と最新のテクノロジーをバランスよく融合させていることが、このユニットの最大の強みだろう。 文 / 森朋之 YOASOBI 小説を音楽にするユニット。最大の魅力は古典的方法論と最新テクノロジー融合のバランスは、WHAT's IN? tokyoへ。
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July 01, 2020 at 08:02AM
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