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京都の老舗ライブハウス、生き残り作戦「音楽を守るために」 - Lmaga.jp(京阪神エルマガジン社)

新型コロナウイルス感染症の影響で休業中の京都の老舗ライヴハウス「拾得(じっとく)」(京都市上京区)が、運営維持のための『生き残り作戦』を実施している。

「拾得」は、1973年に音楽好きの若者たちが築200年弱の酒蔵を改装して誕生。コーヒーハウスとしてスタートし、玄米チャーハンなどの料理と酒樽の蓋を使ったテーブル、市電の枕木を使った床など、手作りのあたたみのある空間で親しまれてきた。

また、高田渡や上田正樹、憂歌団といった関西ブルースの重鎮や、サザンオールスターズ、スターリン、ボ・ガンボスなど、国内外の有名アーティストから地元の無名バンドまで、多くのミュージシャンに分け隔てなく門戸を開き、ジャンルや世代や国境を超えた音楽ファンに愛されてきた「ライブハウスの元祖」であり「聖地」だ。

現在、国からの休業要請を受け、全国のライヴハウスが休業を余儀なくされているが、「拾得」も現時点で5月中旬までの休業を決定。その間の運営維持のための『生き残り作戦 その1』として、4月15日から19日の5日間、店頭にてドリンクチケットを先行販売。遠方のファンからの要請も多く、4月21日よりネット販売をはじめることとなった。

オーナーのテリーさんは、「今は人との接触を減らすことが第一やと思って、店も一切の営業を休止しましたが、その間も家賃を払わないと店は維持できないので、自分たちでできることをやろうと。グッズ販売も考えたんですけど、それには初期投資も必要だし、時間も掛かるので、まずは手っ取りばやく出来ることから始めた感じですね」と話す。

また、先日よりYouTubeにて『拾得COFFEE HOUSE』動画チャンネルを開設。これまで「拾得」でおこなわれたライブの映像を随時アップしていく予定で、現時点ではBobby Hebb、山口冨士夫バンド、遠藤ミチロウといったミュージシャンの貴重なライブ映像を楽しむことができる。

テリーさんは、「音楽の楽しさって、やっぱりミュージシャンとお客さんが同じ空間で音楽を共有する、生の触れ合いみたいな部分だと思うんです。今は濃厚接触を避けるという意味でライブをやるのは無理だけど、だからと言って、僕らが大事にしてきたことを無価値なものにはしたくない」とコメント。

続けて、「うちの店はずっと音楽を好きな人たちに守られてきて、そこには有名とか無名とかヒット曲がどうとか関係なく、ただ音楽の楽しみがあった。それを守る意味でも、今は違う形でできる限り、ライブの楽しさを発信していきたいんです」と話した。

取材・文/井口啓子

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April 21, 2020 at 05:59PM
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