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TENDOUJIの友情と音楽の物語。何者かになりたくて、あがく人へ - CINRA.NET(シンラドットネット)

「ロックンロールは、別に俺たちを苦悩から解放してもくれないし、逃避させてもくれない。ただ、悩んだまま踊らせるのだ」。このピート・タウンゼント(The Who)の言葉は、ロックンロールやロックバンドが多くの人の心を掴んでやまない理由をこれ以上なく説明していると思う。

TENDOUJIの1stシングル『COCO』を繰り返し聴いて思い出したのは、他でもなくThe Whoだった。この2組は、サウンドが似通っているわけでは決してない。その理由については本文に譲りたいが、このインタビューでは、これまであまり語られなかったTENDOUJIの深層部分が明らかになり、「やはり」と腑に落ちることの連続だった。

必ず朝が夜になるように、必ず夜は朝になる。ならば、つまらないと言って毎日をすり潰すように過ごすのではなく、楽しく生きたほうがいいーーTENDOUJIはいつも、我々にそう語りかけているのだと思う。そんな彼らのありのままと真ん中にあるものを記事にした。音楽に踊らされ、日々懸命に生きる、他でもないあなたに出会ってほしいと思うから。

TENDOUJIのステージの変化。自分たちが「楽しい」から、「もっと人を楽しませたい」へ

―『COCO』という1stシングルがリリースされましたが、この冬の入り口に、なんでこんなに常夏な作品なんですか。

モリタ(Gt,Vo):はははは! 常夏なつもりはなかったんですけど、それくらい楽しさが伝わってるならよかったです。

TENDOUJI(てんどうじ)<br>上から:アサノケンジ、ヨシダタカマサ、オオイナオユキ、モリタナオヒコ<br>2014年、中学の同級生で結成。類まれなメロディーセンスと1990年代のオルタナシーンに影響をうけた爆発力のあるサウンドを武器に、全ての会場をハッピーなグルーヴに包みこむ4人組バンド。2019年2月には、TEENAGE FANCLUBの来日公演のサポートアクトを務めた。同年11月、1stシングル『COCO』をリリース。
TENDOUJI(てんどうじ)
上から:アサノケンジ、ヨシダタカマサ、オオイナオユキ、モリタナオヒコ
2014年、中学の同級生で結成。類まれなメロディーセンスと1990年代のオルタナシーンに影響をうけた爆発力のあるサウンドを武器に、全ての会場をハッピーなグルーヴに包みこむ4人組バンド。2019年2月には、TEENAGE FANCLUBの来日公演のサポートアクトを務めた。同年11月、1stシングル『COCO』をリリース。
TENDOUJI『COCO』を聴く(Apple Musicはこちら

―去年EP『FABBY CLUB』を出してからの1年で、ライブの空気と4人のパフォーマンスが一気に変わってきたと思うんです。音楽を心から楽しんでいるTENDOUJIの熱が人から人へ伝搬してきていることを、ライブやフェスのステージで感じられてきたと思うんですね。その勢いと次のステップがちゃんと込められている作品だと感じて。

ケンジ(Gt,Vo):『FABBY CLUB』を出した頃から今までで言えば、今年は夏フェスにも多く出られたし、楽曲やライブに対してもう一度振り返って、この先どうしていこうかを考える時期にはなってきたよね。なんせ「楽しい」っていうだけでやってきたバンドだから、ここから人にどう伝えたらいいのか、もっと楽しくするにはどうしたらいいのかって考えること自体が次のステップだったというか。

オオイ(Dr):とにかく自分たちが楽しむことを意識してきたし、きっちり演奏することよりも「楽しい」っていう感覚を第一優先にしてきたからね。

左から:アサノケンジ、オオイナオユキ
左から:アサノケンジ、オオイナオユキ

―大きなステージに立ちたいとか売れたいとかじゃない、「音楽最高!」っていうエネルギーだけでやってきたということですよね。

モリタ:そうそう。でも『FABBY CLUB』を出してから、いろんな人が名前を知ってくれて。TENDOUJIを始めてから今日までやってきたことは本質的には変わらないと思うけど、最近は「もっと人を楽しませたい」っていうエネルギーが出てきた気がしてる。そもそも、ただ俺らが楽しんでるだけなのに人がライブに来てくれるようになるなんて、奇跡的なことだったと思うんですよ。

TENDOUJIのスタート地点にあったものーー「自分の聴きたい音楽は日本にまったくなかった」「友達と楽しい時間を過ごすためのものが偶然バンドだった」

―それは、TENDOUJIというバンドのなにが素敵だから実現してきたことなんだと思います?

モリタ:なんだろうね? でも、バンドを始めたのが遅かったことも含めて、確実に他のバンドとは違うところばっかりだよね。

ヨシダ(Ba):ライブがよくなってるって最初に言ってくれましたけど、僕らのライブってそもそもお客さんによるところが大きいと思うんですよ。お客さんが楽しんでるところを見ると、自分たちも楽しくなれる。その関係は大きいのかもしれないですね。

左から:モリタナオヒコ、ヨシダタカマサ
左から:モリタナオヒコ、ヨシダタカマサ

モリタ:そうだね。自分がバンドを始める前にお客さんとしてライブに行ってたときを思い返すと、「こういうふうにノれ」とか「手を挙げろ」とか強要されるのがむちゃくちゃ苦手だったの。「来いよ!」とか言われなくても行くときは勝手に行くし! みたいな。

ケンジ:めっちゃわかるわ。そんなん言われたら、むしろ「行かねえし」みたいな(笑)。

モリタ:強要に従ってみんなが同じ動きしてるのが、本気で意味わかんなかったよね。だから自分がプレイする側になったら、それだけはしたくなかったの。みんなで一緒に動くのが好きな人もいるだろうけど、俺らは自由にやってほしい。で、意外と「みんなと一緒なんて嫌だ」っていうヤツが多かったのかもしれないよね。それがTENDOUJIのライブの楽しさに繋がってる気はする。

―TENDOUJIが結成された2014年って、日本では四つ打ちの速いビートが主流になって「盛り上がるための画一化」への向きを強めていた頃だと思うんです。ナオさんが話していただいた音楽・ライブに対する疑問、反発みたいなところからTENDOUJIは始まったのか、あるいはもっと単純に友達としての絆として始まったのか。どう思います?

モリタ:俺個人はその両方があった。音楽が大好きなリスナーだったけど、自分の聴きたい音楽は日本にまったくなかったの。それで「俺だったらこういう音楽をやる」「でも俺には絶対才能ないし」っていうのがループしてたんだけど、ケンジたちと『フジロック』に行ったのをきっかけに「やるしかねえ」と思ってバンドを組んだんですよ。

ケンジ:俺は、その話で言ったら後者で。友達と楽しい時間を過ごすためのものが偶然バンドだっただけで、友達といられるなら居酒屋でよかったの。ただ、自分が一番好きなものが音楽だったから、自然とバンドになったんだろうね。

自分の性格的にも普通に社会人をやれる人間じゃないと思ってたから、好きな友達と好きなことをする以外に選択肢がなかったんだよね。それは逆に言えば逃げだったのかもしれないけど。

左から:モリタナオヒコ、ヨシダタカマサ、オオイナオユキ、アサノケンジ
左から:モリタナオヒコ、ヨシダタカマサ、オオイナオユキ、アサノケンジ

―もちろん、逃げ道も道ですから。モラトリアム的に、好きなものだけで囲まれた部屋に逃げ込むようにして始まったところもあったと。

ケンジ:そうそう(笑)。

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December 19, 2019 at 10:04AM
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