
来年はどんな体験が登場するんだろう。
音楽は時代とともに、聞き方も作り方も変わっていくもの。今年はAIが過去の名アーティストの演奏を再現するわ、ビリー・アイリッシュがASMR的みたいなお話もありました。なんかもう新しいも古いも混然一体。
そんな1年から、ギズモード・ジャパンの中の人が「2019年ベスト音楽」を選びました。
『Bad Guy』 / Billie Eilish
今年の夏、2週間半ほどアメリカ西部を巡る旅をしてきました。その道中に車内のラジオで流れてきたのが、Billie Eilishの『Bad Guy』。出だしのアップテンポなリズムから、最近よくありがちな曲かしら〜と思いながらフンフン聞いていたら、そうじゃなかったんです。なんといっても、曲の途中で刻まれる「間」の絶妙なこと。最後のほうの、テテテテンって曲調が変わるところでは思わず「天才かよ…!」と言葉が漏れました。
2001年生まれの彼女が放つカジュアルなカリスマオーラは、ミレニアル世代の私にとってもキラリと眩しく見えます。ただ"大人"目線で見てしまえば、頭の一部だけグラデがかかったグリーンの髪色とか、個性的なMVとかについて「ヘン」だと切り捨てる人もいるかもしれません。でも、彼女の作品すべてを理解したつもりになる必要はないということは、彼女自身が活動を通じてよく表現しています。まだまだ「個性を出すこと」が当然受け入れてもらえるわけではない時代に「ありのままの私」を堂々と(且つ脱力気味に)表現している彼女の活躍に、今後も大注目していきたいです。
(Rina Fukazu)
『Daddy』 / Coldplay
なんだかんだでColdplayばかり聴いていた2019年でした。
年明け早々にiPhoneに切り替えたのをきっかけにApple Musicを聴き始め、ほどなく気づいたのは音楽の趣向が過去に回帰していること。旬の曲を追いかけることももちろん楽しいし、『海の幽霊』、『グランドエスケープ』あたりは熱に浮かされているような気分で聴きまくりましたが(YouTube経由で)、ストリーミングで「さあ次なに聴こう」って時には結局昔から聴いているアーティストを頼ってしまうんですね。
今年のColdplay連鎖はラジオから流れてきた『Something Just Like This』(2017年)に始まり、2018年12月にリリースされた日本限定のライブ・アルバム『ラヴ・イン・トーキョー』で長らく安定していました。思い入れの強い『Fix You』が入っていたのがツボで、ライブを疑似体験できたのもすごくよかった。来年はもっともっとライブに行こうと心を決める契機にもなりました。
そうこうしているうちに2019年11月に最新アルバム『Everyday Life』がリリースされ、新しいのになつかしい感じが聴きやすくて現在ヘビロテ中です。
ノイキャンヘッドホンでひっそりと楽しみたい曲ばかり。あえて選ぶとしたら『Daddy』が一番好きです。父が体調を崩したのが重なり、感傷的な聴き方をしていました。音楽を通してひとりになれる時間が必要だったのかもしれません。
2020年は回帰ではなく、歓喜の年にしたいな。 いろんな気持ちに寄り添う音楽を発見していきたいので、そろそろSpotifyかな?
(山田ちとら)
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December 30, 2019 at 10:00AM
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