アジと言えばアジフライ! というライダーのために美味しいアジフライをいただけるお店を紹介してきましたが、今回は念願の「自分で釣ったアジをいただく」が叶いました。
自分で釣り上げたアジの味は格別!! 感慨深いものに
美味しいアジフライを求めて、愛車のホンダ「XR250」で走ってきたのは横浜市の新山下です。到着したのは朝6時前。そんな時間にアジフライを出すお店があるの? と思いますが、向かったのは釣船店です。
あまり釣りの経験の無い筆者(増井貴光)が、初めてアジを釣りに来たのです。かねてより「自分で釣ったアジをアジフライにして食べたい」と思っていたのでワクワクが止まりません。
釣りの達人であるTさんからお誘いを受けて集まったのは、筆者の他に横浜市保土ヶ谷区にあるフレンチレストラン「Bistro Vin Vino」のオーナーシェフ岸田伸一さんと、この企画に3回目の登場となるKさん、計4人です。
支度をして早速船に乗り込みます。日曜日だったこともあって、船には30人ほどのお客さんが乗り込んでいました。新山下を出港して横浜の街並みを海から見ながらベイブリッジ方面に向かいます。海上から眺める景色の綺麗さには眠気も覚めるというもの。
ベイブリッジ近くで停泊して、いよいよ釣りを始めます……が、なかなか釣れません。コマセが無くなったかも? と糸を巻き上げるとイワシが針に食いついていました。
船が場所を変えると岸田さんがアジを釣り上げ、続いてTさんもヒット。筆者はイワシしか釣れていません。更に場所を変え、気を取り直して竿を振るとようやく来ました! 人生初のアジが釣れました。小ぶりですがキラキラした活きの良いアジです。楽しくなってきたところで続けて4匹、初挑戦の筆者的には大漁です。昼前には船を降り、Tさんとはここで別れて岸田シェフのお店に向かいます。
お店は日曜定休なので、この日は筆者とKさんのために料理をしていただくというかなり贅沢な状況です。岸田さんは都内の複数のレストランで修行して2016年に独立し「Bistoro Vin Vino」を開業しました。都内に行かなくても近くで気軽に美味しいフレンチが食べられるレストランというコンセプトでオープンしたそうです。
筆者とKさんのこの日の釣果は、アジが4尾とサバが1尾、それにイワシが数尾です。アジは開いてパン粉を付け、フライヤーで揚げて「基本に忠実なアジフライ」の出来上がりです。サバはマスタードを塗ってパン粉を付け、フライパンで揚げて「サバのディアブル風」になりました。
さすが料理のプロ。作るところから見させていただく機会もあまり無いので貴重な経験です。それにフレンチレストランでアジフライを出すことはまず無いそうなので、コレまた貴重なアジフライです。
早速、出来立ての「基本に忠実なアジフライ」をいただきます。小さめのアジが2枚、付け合わせはキャベツとフライにしたパセリに「マヨネーズを使わないポテトサラダ」です。横須賀産のアンデスレッドというジャガイモと塩揉みをしたキュウリ、塩水で茹でたニンジンをマスタードと塩胡椒で和えた素材の味を活かし調味料を極力使わないポテトサラダです。
ご飯は「STAUB(ストウブ)」(フランスの伝統的な製造方法で造られる鋳物ホーロー鍋)を使い、オーブンに入れて炊いています。フレンチのレストランということで箸ではなくナイフとフォークでいただきます。
「基本に忠実なアジフライ」の衣はサクサク、揚げ具合は程よく、身は薄いのですがフワフワ食感で獲れたてならではの美味しさです。自分で釣り上げたアジを食べるのはなかなか感慨深いものがあります。
「マヨネーズを使わないポテトサラダ」は、ジャガイモのホクホク感と上品な塩味にうっすらマスタードが効いています。そして「サバのディアブル風」はフレッシュトマトとニンニクのソースに自家製クルミオイルでフレンチに昇華しています。これも美味しくてビックリ。今度は営業日にちゃんと食べに来なくてはと思いつつ、全ての料理を美味しくいただきました。
アジ釣りでアジを釣らずにサバを釣ったKさんと、お店を後にして帰路に着きます。釣りも楽しかったし岸田シェフの料理もとても美味しく、大満足な一日となりました。
旅をライフワークにバイク専門誌などで活躍するカメラマンでコラムニスト。国内だけでなく、アメリカでランドスピードレースやドラッグレースの撮影を続けている。著書としてユタ州ボンネビルで最高速に挑戦するライダーを撮影した写真集『bonneville』と、ルート66を実際に走って撮影した『movin’on』がある。また撮影だけでなく、イベント等の企画・運営にも携わるなどその活動は幅広い。愛車はハーレーFLTRXS、ホンダXR250とCT110
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