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SMTKが鳴らす、ルール破壊の音楽精神 荘子itが嗅ぎ取り、言葉に - CINRA.NET(シンラドットネット)

昨年始動した「Answer to Remember」で名実ともに同世代のリーダー格となったドラマー・石若駿。同プロジェクトの初お披露目となった今年2月のイベント『石若 駿 史上最大の祭り、よろしくワッツアップ!』には君島大空や新井和輝(King Gnu)、中村佳穂、KID FRESINOなど盟友たちが集結し、ジャズとポップのクロスオーバーはひとつの到達点を迎えた。さらにこの日は、オープニングアクトも石若のバンドが担当。そこでトップバッターとして登場し、火を吹くような演奏を見せていたのがSMTKだ。

5月20日にリリースされたアルバム『SUPER MAGIC TOKYO KARMA』には、この4人組の持ち味が凝縮されている。「チルってる場合じゃない」と言わんばかりの獰猛なアンサンブルに、ロックやパンクを感じる人も少なくないだろう。そこに助太刀しているのがDos Monosの荘子it。昨年12月の対バンでSMTKとの交流を深めた彼は、リードトラックの“Otoshi Ana”で「不要不急の博覧強記」をフル回転させながら、煽るようにラップをまくし立てている。

石若と荘子it、SMTKのサックス奏者・松丸契による鼎談でキーワードとして浮上したのは、既存の常識を疑い、ルールを破壊してきたフリージャズの精神。この窮屈で息苦しい時代に、閉塞感を打ち破る音楽を生み出す方法とは? オンライン上で熱く語り合ってもらった。

SMTK(えすえむてぃーけー)<br>左から:細井徳太郎、石若駿、松丸契、マーティ・ホロベック<br>ドラマーの石若駿が自身の同世代のミュージシャン達を集め結成したバンド。2018年8月に初ライブを行う。最初のライブはドラムの石若駿、ギターの細井徳太郎、ベースのマーティ・ホロベックの3人で行われる。同年10月、新宿ピットインでのライブにてサックスの松丸契が参加、以後現在の編成となる。2019年には『東京ジャズ』や『TOKYO LAB』といったイベントにも出演。2020年4月15日に1stEP『SMTK』、同年5月20日に1stフルアルバム『SUPER MAGIC TOKYO KARMA』をリリース。
SMTK(えすえむてぃーけー)
左から:細井徳太郎、石若駿、松丸契、マーティ・ホロベック
ドラマーの石若駿が自身の同世代のミュージシャン達を集め結成したバンド。2018年8月に初ライブを行う。最初のライブはドラムの石若駿、ギターの細井徳太郎、ベースのマーティ・ホロベックの3人で行われる。同年10月、新宿ピットインでのライブにてサックスの松丸契が参加、以後現在の編成となる。2019年には『東京ジャズ』や『TOKYO LAB』といったイベントにも出演。2020年4月15日に1stEP『SMTK』、同年5月20日に1stフルアルバム『SUPER MAGIC TOKYO KARMA』をリリース。

SMTKとDos Monosの間にある連繋。ジャンルやシーンでは括れないが、音楽で呼応する2組

―まずはSMTKと荘子さんの出会いを教えてもらえますか。

石若:最初はいつだっけ……角銅(真実)さんと一緒に呑んだんだ! 荘子くんと角銅さんが「言葉」について語り合ってたのをよく覚えてる。それから1年後の夏に花火をしたよね。多摩川のほうに何人かで集まって。

荘子it:そうそう(笑)。その前に荻窪ベルベットサンの店長でスガダイローさんのマネージャーでもあるノイズ中村さんから、スガダイローさんがやってるフリージャズのセッションに誘われて、そこでギターを弾いてたのが(細井)徳太郎くんだったり。

石若:SMTKのメンバーそれぞれと活動コミュニティーが近くて、共通の知り合いがたくさんいる感じだよね。Dos Monosは世界観がすごくかっこいいし、以前から気になっていて。それで今回、ラッパーに参加してもらおうとなったときにオファーしました。

左上から時計回りに:松丸契(SMTK)、荘子it(Dos Monos)、石若駿(SMTK)
左上から時計回りに:松丸契(SMTK)、荘子it(Dos Monos)、石若駿(SMTK)

SMTK“ドタキャン”を聴く(Spotifyで聴く / Apple Musicで聴く

荘子it:松丸さんは昨年10月、Dos MonosがTHE NOVEMBERSや君島大空さんと対バンしたとき観に来てくれましたよね。

松丸:その前から音源は聴いていましたけど、ライブのインパクトはすごかった……感じたことのないような生々しさで。

―逆に荘子さんは、SMTKにどんな印象を抱いてます?

荘子it:Dos Monosではジャズをサンプリングしてますけど、「ロバート・グラスパー以降」の音楽とは一線を画すものを作ろうと意識していて。それでフリージャズをあえて取り入れてるので、ロックの人からは「ジャジーだ」、ジャズの人からは「こんなのジャジーじゃない」、ヒップホップの人からは「今の流行りとは違う」と言われて、どこにも属せない感じなんですよ(笑)。でも、SMTKにはエッセンスとしてフリーの要素も入っているので、これはお友達になれそうだなって。

荘子it a.k.a Zo Zhit(そうしっと)<br>1993年生まれ。東京を拠点に活動するトラックメイカー / ラッパー。2019年3月20日に1stアルバム『Dos City』でデビューしたDos Monosを率いながら、個人として様々なアーティストへのトラック提供も手がける。楽曲制作に限らず、テレビやラジオ番組のMCも務めるなど、現在もインディペンデントかつ越境的に活動の幅を拡げている。2019年10月18日より放送される、冨永昌敬が監督したテレビ東京ドラマ25『ひとりキャンプで食って寝る』の劇伴音楽を担当。
荘子it a.k.a Zo Zhit(そうしっと)
1993年生まれ。東京を拠点に活動するトラックメイカー / ラッパー。2019年3月20日に1stアルバム『Dos City』でデビューしたDos Monosを率いながら、個人として様々なアーティストへのトラック提供も手がける。楽曲制作に限らず、テレビやラジオ番組のMCも務めるなど、現在もインディペンデントかつ越境的に活動の幅を拡げている。2019年10月18日より放送される、冨永昌敬が監督したテレビ東京ドラマ25『ひとりキャンプで食って寝る』の劇伴音楽を担当。

―たしかに、SMTKの音楽性はフリージャズ色が強いですよね。石若さんの歩みでいうと、Answer to Rememberで華々しくメジャーデビューした直後に、SMTKでアンダーグラウンドな表現を追求しているのも痛快だなと。

石若:(立ち上げの)順序的にはSMTKのほうが先で。Answer to Rememberでは曲ごとにいろんな仲間の力を合わせて音楽を作るのに対し、SMTKはこの4人でやるのが前提にあって、すごくバンド感がありますね。あと個人的には、原点回帰のような感覚があるかもしれない。

―というと?

石若:3~4歳のときに父親に連れられて、ドラマーの森山威男さんとサックスの松風紘一さんのライブを観に行ったんです。2時間くらいずっとフリーインプロだったんですけど、演奏の迫力がすごくて、森山さんのスティックが飛んだりブラシが壊れてハジケたりして衝撃を受けました。それが人生で初めて観たライブで、僕はそこからドラムに興味を持つようになったんです。

―じゃあ、SMTKを結成するときもフリージャズは念頭にあった?

石若:音楽的なコンセプトとしてフリージャズがより強くなったのは、契の加入が大きかったんですよね。

松丸契のTwitterより。2018年8月にバンドは「SMT」というギタートリオとして始動したが、翌月、石若がこの動画を見て松丸をライブのゲストに誘ったことで、SMTKは現在の形に至った。

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May 26, 2020 at 05:02PM
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