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秋田)音楽は裏切らない 作曲家・天野正道さんが語る [新型コロナウイルス] - 朝日新聞

 新型コロナウイルスの影響で、全日本吹奏楽コンクールの全国大会、東北大会、秋田県大会の中止が相次いで決まり、多くの吹奏楽部員に動揺が広がった。コンクールでも頻繁に演奏される有名吹奏楽曲を数多く世に出してきた、秋田市出身の作曲家・天野正道さん(63)に、子どもたちへのメッセージを聞いた。

     ◇

 吹奏楽コンクールのみならず、インターハイ、甲子園なども全て中止になってしまいました。今回は事情が事情だけに、無理して開催して万が一死者が出たりしたら大変ですし、こればかりは仕方がありませんね。運動部の皆様方も本当につらい思いをしていることでしょう。吹奏楽部員も毎年当たり前だったコンクールという一つの大きな目標を失って、とてもつらいと思います。

 スポーツにおける競技大会は、ある意味勝つことも大事な目標でしょう。コンクールにも確かにその要素はあります。ただ私は、音楽は本来、優劣をつけることができない、つけるべきものではないと思っています。

 多くの音楽ジャンルにおいて「コンクール」は存在します。確かに技術向上に役立つ側面もあり、課題曲と自由曲の2曲をとことん掘り下げて研究したり、集団でひとつの目標に向かって切磋琢磨(せっさたくま)したりするのも大事なことだと思います。

 しかしながら音楽は、算数みたいに必ず答えが一つしかない、というものではありません。音楽とは、ざっくりと言うと、作曲家が書いた楽譜を演奏家が己の生き様を背負って表現して、それを聴衆の皆様と共有する、ということが大前提です。そこには「シンパシー(共感)」という要素が重要になってきます。

 たとえば、4歳のお子さんがピアノの発表会でたどたどしいながらも一生懸命演奏しているのと、プロが手を抜いて演奏している(残念ながら時々あるのですよ。まあ一定の水準はクリアしているのですが)のと、どちらが感動するか、ということにも関わってきますね。

 音楽表現を豊かにするために、ある意味でコンクールは役に立ちます。「必要悪」かもしれません。でも、それは単なる手段であって目的ではないのです。もしもコンクール至上主義的な考え方を今までしていたのなら、是非これを機会に、音楽と自分との関わり合いをもう一度見つめ直してみてはいかがでしょうか?

 多分音楽が無くても生命を維持することはできます。でも音楽って心を豊かにしてくれるし、希望を与えてくれたりしますよね。人は人を裏切ることがあります。でも、音楽は絶対にあなたたちを裏切りませんよ。(聞き手・野城千穂)

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May 31, 2020 at 08:30AM
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