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ポルシェ718ボクスター購入記 第21回:新しい音楽とどう出会うか? - GQ JAPAN

CDは全部、処分しました

718ボクスターを注文する前から、再生音楽はすべてSpotifyで聴くようになっていた。月額980円の、インターネット聴き放題サービスである。

【連載:『10年10万キロストーリー』著者・金子浩久の、718ボクスター購入顛末記】

好きなミュージシャンや聴いてみたい曲はSpotify内を検索すればほぼすべて出てくるから、大量の音楽CDを保有している必要がなくなった。歌詞だって表示してくれる。

1000枚以上あったCDは、バンド活動を行なっている友人の長男を呼んで「好きなだけ持って行って」ともらってもらい100枚片付いた。残りの900枚はブックオフに電話して取りに来てもらった。こちらが何か事前に準備しておく必要もなく、若い男性スタッフが持参した段ボール箱に手際よく詰め込んで買い取ってくれた。それ以来1枚もCDは買っておらず、ダウンロード購入もしていない。聴きたい音楽は、すべてSpotifyにアクセスして賄えている。

自宅や仕事場では、PCやタブレット端末で聴いたり、スマートスピーカーをスマートフォン内のアプリで操作して聴いている。WiFi接続したテレビでも聴いている。すべてクラウドでつながっているから、外出や出張先でもシームレスに途中からでも聴き続けることができ、とても重宝している。

718ボクスターは、インフォテインメントシステム「ポルシェ コミュニケーション マネジメント(PCM)」を搭載する。

同じ環境を自分のクルマの中に構築できたらと願っていたから、718ボクスターでも納車直後からiPhoneをカーナビ画面でのタッチや音声入力によって操作できるCarPlayを経由してSpotifyを使っている。その使い方は連載第15回でも一部触れたが、フル活用している。

718ボクスターに乗り込んだら、接続コードでUSBポートへ繋げ、モニター画面上でCarPlayが表示したアプリの中からSpotifyを選ぶだけだ。

気に入った曲やミュージシャン、アルバムやプレイリストなどは「ライブラリ」に保存しておくことができるから、そこから選んで聴く。音声で呼び出すこともできるから便利この上ない。

また、Spotifyはリコメンド機能にも大変に優れている。ライブラリに集めている曲を順番に、あるいはシャッフルして聴かせてくれるだけでなく、ライブラリには入っていないけれども、その曲を違うミュージシャンが演奏しているものや、好きなミュージシャンと関連性の高いミュージシャンやそれらが含まれているプレイリストなどをリコメンドしてくる。「made for you」プレイリスト群は増えていき、今はつねに8種類が勧められるようになった。「My daily mix 1」「〃 2」「〃 3」「〃 4」「Discover weekly」「My release rader」など。

その中には、毎年末に楽しみにしているプレイリスがある。「My top songs 2019」だ。2019年に自分が最も頻繁に聴いた100曲がプレイリスト化されている。毎年12月になるとリコメンドコーナーにアップされる。2018年の12月もそれを楽しんだから、早くも今年の年末が待ち遠しい。

【連載:『10年10万キロストーリー』著者・金子浩久の、718ボクスター購入顛末記】

冒険リコメンド、ゴキゲン

この1年間で自分はどの100曲を聴いたのか?

意外と憶えていないもので、意外な曲をたくさん聴いていたりして、面白い。

さらにうれしいのは、「冒険リコメンド」と称したプレイリストだ。“あなたは、いつもジャズやヒップホップばかり聴いているけれども、たまにはクラシックやラテンなども聴いてみませんか?”という、今まで馴染みがなかったジャンルの音楽を勧めてくれる。

試しに聴いてみると、これがけっこうゴキゲンだったりする。こうした芸当こそ、デジタルの得意技だ。

Spotifyを使うようになって、音楽の楽しみ方が確実に変わってきた。

現在、走行距離は2万7000kmを超えた。

それは、聴いたことのない曲を耳にした時のときめきや興奮だ。昔からずっと聴いている“オールタイム・フェイバリット”というのも良いけれど、現代に新しく生み出されてくるもの、昔から好きで聴いていたミュージシャンの違う音源など、聴いたことのないものにココロ動かされる瞬間がたまらない。

それも、Spotifyのような定額聴き放題サービスの機能を活かした最大のメリットだろう。オールタイム・フェイバリットだけで満足できるのだったら、買ったCDを繰り返して聴いていればよいだけのことだ。

新しくて魅力的な音楽は次から次へと生まれてくる。それらを聴いてみたいから、僕にとってSpotifyは最高の音楽再生装置であり続けている。

かつては、CDやその前のLPレコードなどを購入しない限り、新しい音楽との出会いはラジオなど既存のメディアを通じてしかあり得なかった。Spotifyなら、出会いはほぼ無限だ。

Amazon Prime Musicの会員になる

ところが、Spotifyにライバルが現れた。718ボクスターをインターネットに接続し、さまざまな機能を操作するソフトウェア「ポルシェコネクト」がアップデイトされ、Amazon Prime Musicがデフォルトでインストールされたのだ。

こちらもSpotify同様の定額聴き放題サービスだ。費用は少し安く月額780円。

PCMに表示されるAmazon Prime Musicのアイコン。

さっそく会員になり、使い始めた。Amazon Prime Musicの方が優れているのは操作性だ。クルマ側にアプリがインストールされているから、スマートフォンをUSBケーブルで接続する必要がない。

この手間が実はバカにならない。自分のiPhoneは、乗ったと同時に718ボクスターと自動的にBluetooth接続され、通話もハンズフリーで行えている。Spotifyを使わなければ、iPhoneはパンツのポケットに入れたまま走り始めて構わない。しかし、ちょっと手間なのと、接続したスマートフォンをクルマから降りる時に外し忘れてしまうのだ。

BMWやボルボなどでは、すでにBluetooth接続でCarPlayが使えるようになっているので、USBコード接続の手間が掛からない。この手の技術の進化は急だから、新しいクルマほどどんどん便利になっていく。

Amazon Prime Musicはインターネット通信を使うため、電波状況によっては接続が中断されるときもある。

では、Spotifyを使うのを止めて、Amazon Prime Musicに乗り換えるか?悩ましい。

Spotifyが優れているのは、聴ける楽曲が豊富なことだ。これまでも、Spotify内を検索して僕が聴きたい音楽が存在しなかったことがない。新しい曲がアップされるのも早いし、自分にとってあまり馴染みのないミュージシャンの曲もたくさんアップされていて、その中にある“宝”と出会う楽しみが大きい。

PCやタブレット端末、スマートフォンなどのインターフェイスにも優れていて、見やすく操作しやすいところも魅力的だ。

いずれどちらかを選ぶことになるのだろうが、さらに事情をややこしくしているのは、昨年発表のポルシェのEV(電気自動車)「タイカン」では、サブスクリプション音楽サービスはApple Musicを装備しているのだ。

718ボクスターがAmazon Prime Musicで、タイカンはApple Music。

「今後、タイカン以外のポルシェ各車もApple Musicを採用するかどうかは未定です」(ポルシェジャパン・アフターセルス部長の石岡理保氏)

もしかすると、3つのサービスが選べるようになるかもしれない。でも、3つも要らない。ひとつを聴き続けて好みを集中してデータを蓄積し、いろいろなリコメンドを楽しみたい。となれば、おのずと答えは出てきたか。

文と写真・金子浩久

【連載:『10年10万キロストーリー』著者・金子浩久の、718ボクスター購入顛末記】

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