※7月1日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。
望月:こちらなんと自社で食用コオロギを養殖し、そのコオロギを使った美味しい食べ物を作っている会社です。ちょっとふざけて面白いことをやってる会社なのかなと、最初私も面白半分な気持ちで取材に行ったのですが、ものすごく感動して帰ってきました。知れば知るほど真面目な会社で、働く人のことはもちろん、これからの地球の未来のことまで本気で考えている会社なんです。今回は、副代表の浜地裕樹さんにお話を伺いました。
どう真面目かというと、オールコセイは前身の事業で10年間、障害者の就労支援をやってきています。そこで障害者だけでなく、シングルマザーや持病のある人、高齢者、外国籍などが理由で、働く能力があるのに働けない就労弱者がいる状況を多く見てきて、「これはなんとかしなくては」「働く意欲があっても働けない人たちが、当たり前に働ける環境を作りたい」と思い、昆虫事業を始めました。
原口:すごくいい話ですね! 先々のことやいろいろな立場の人のことを考えた企業だということがよくわかりました。ただ、昆虫事業だけ全くつながりません......。
望月:なぜ昆虫事業なのかという理由を3つお伝えします!
1.世界的に注目されている食材
望月:日本では少子化が社会問題になっていますが、地球規模で見ると人口は増加傾向にあります。このまま世界の人口が増え続けていった場合、人間に必要なタンパク質が不足するという事態、いわゆる「タンパク質危機」が起きてしまうと言われています。これを何とかしたい! 替わりになるいい食材はないかと考えたときに、FAO(国債連合食料農業機関)の報告書から、昆虫食は牛や豚などに比べて温室効果ガスの排出量が少なく、地球環境に優しい食材で未来食として注目されているということを知ったそう。最近では無印良品もコオロギセンベイを販売して話題になりましたよね。
2.栄養価が高い、伝統的な食材
望月:昆虫自体はイナゴでも知られるように、日本では昔から食べられてきた伝統食材です。栄養価が高く、タンパク質、アミノ酸、ミネラルも豊富。なかでもコオロギは、昆虫の中で軍を抜いてタンパク質量が多く、乾燥重量の70%がタンパク質なんです。しかも、イナゴはある種類の葉しか食べないから養殖でもエサにお金がかかるけれど、コオロギは雑食性で何でも食べるんだそう。なので、例えば農家からブロッコリーなど野菜の廃棄される葉や茎の部分をもらってきたり! コオロギは野菜だけではなく動物性タンパクも与えないと共食いをしてしまうそうなので、鰻の加工会社から皮や内蔵など同じく廃棄される部分をもらいエサにしているとのこと。エサは100%捨てられてしまうものの再利用なので、フードロスにも貢献しているんです。
その上、成虫になるまでの期間も1カ月程度と短いので、年に10回収穫できるんです。
今回お邪魔したオールコセイの養殖場「富士ファーム」は、富士の大通り、イオンタウン富士南の目の前にあるので、富士生まれ、富士育ちで地産地消もできています!
3.アレンジが自由自在
望月:粉末にして麺やお菓子に混ぜてもよし、そのまま炒めたり揚げたりしてもよし! 実際オールコセイでは「BUG TIME」というブランド名で様々なコオロギ加工食品を主にキッチンカーやネットで販売しています。コオロギラングドシャ、コオロギフロランタン、コオロギチップスなどいろいろありますが、私はコオロギかりんとうとコオロギフライ鰻風味を食べてみました。
コオロギかりんとうは、コオロギの粉末を混ぜてかりんとうにしたもの。普通にオシャレなパッケージに入った美味しいかりんとうでした。
コオロギフライ鰻風味は、「姿揚げのコオロギ」というなかなかワイルドな見た目なので少し抵抗があり、食べるまでに4日かかったんです。
でも食べてみたらちゃんと鰻の味がしました。コオロギはエサによって味が変わる特性があって、食べたものの味になるんだそう。なので、ほのかな鰻の風味に、さらにかば焼きのたれや山椒の味付けが加わり、より鰻らしさを感じられる一品でした。
ちなみに他の商品は別の味付けをしているので、鰻を感じることはないと思います。
原口:僕も鉄崎幹人さんと山田門怒さんのweb番組「てつもん」内でコオロギを食べたことがあります。僕は宮崎県えびの市出身で、昔から蜂の子を食べていたため、あまり抵抗はありませんでした。番組内ではひと口でパクっと食べて「香ばしい香りもしっかり残ってちょっと苦みもあり、お酒にぴったりですね!」とコメントしました。
望月:特に、オールコセイの昆虫食は美味しいと定評があるので、昆虫食の入門としてもいいと思いました。コオロギに対する偏見もあったりしますが、ヘルシーだしローカロリー高たんぱくなので、美容に関心のある女性がいろいろ探した末に、プラセンタや高麗人参のような感じで素揚げを喜んで購入していくんだそうです。
原口:筋トレする人にとってもいいかもしれませんが、ジムでみんながコオロギを食べていたらすごい光景ですよね(笑)。
望月:粉末もあるのでプロテインに混ぜて飲むのもいいかもしれません。ここまでをまとめると、世界的に注目されている食材で栄養価が高い!伝統的な食材でアレンジが自由自在!と、コオロギは「環境によし、健康によし、コスパよし」の三拍子が揃う食材。そして実は、さらに4つ目の理由もあるんです!
4.就労弱者など、多様な人の就労支援つながる
望月:コオロギの養殖作業は作業工程が100分割くらいできるそう。作業工程の切り出しが自由にできるから、身体的な理由で1~10まので作業ができない人や短時間しか働けない人でも、1~3だけやってもらうとかその人に合わせた働き方ができる。そのあたりから、最初に言った「コオロギ事業」につながってくるんです。もう1つの事業とは
実はオールコセイは会社を存続させるために、昆虫事業の他にもう1つ別の事業をやっています。それが移動スーパー事業! 移動スーパー「はじ丸」の運営をやっています。富士市内ならバス路線廃止の地域などスーパーやコンビニが少ない地域に行って、食品の販売をしています。月~土曜日まで1台で、1日10~20箇所をまわるそう。玄関前、公民館前、団地の広場、高齢者施設など、みんな「はじ丸」が来るのを楽しみにしていて、トラックが来る1時間前からその場所で待ってる人もいるんだそう。
原口:こういう場でおしゃべりするのを楽しみにしているんですね!
望月:そんな株式会社オールコセイでは、求人を募集しています。現在の募集は「お菓子の調理担当」。パティシエでなくても、コオロギに詳しくなくても大丈夫。お菓子作りが得意な人はぜひ!
浜地さんは、いつかコオロギが違和感なく食べれるようになってほしいともおっしゃっていました。移動スーパーでも一番人気は3本パックのお団子だそう。早くそこにコオロギが加わるようになってほしいですね。
原口:「今日はコオロギないんですか?」と取り合いになる日が来るかもしれません。ありがとうございました。
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■株式会社 オールコセイ(富士ファーム)
住所:富士市川成島48-2
TEL:080-4834-2781
今回、お話をうかがったのは……望月やすこさん
静岡県内を中心に個人の撮影や取材撮影をするフリーカメラマン。撮影歴は25年。「人を笑顔にする撮影」と「面白いネタ探し」を得意とする。著書「子連れのタダビバ」シリーズ(静岡新聞社)では執筆も担当。ラジオ・テレビの出演など様々なメディアで活躍。公式ホームページ「フォーシーズン 望月やすこ」、インスタグラム( @mochikoyasuko )
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