金大元教養部長しのびコンサート寄贈の音盤奏でる人柄 - 中日新聞

蓄音機で高山俊昭さんのレコードを流す八日市屋館長（左奥）と大野由加さん＝金沢市尾張町の金沢蓄音器館で

故高山さん蓄音器館が感謝込め

　金沢大（金沢市）の元教養部長でクラシック音楽にも精通していた高山俊昭さん（昨年八月に八十三歳で死去）をしのぶコンサートが三日、金沢市尾張町の金沢蓄音器館で開かれた。高山さんが同館に寄贈したレコードが蓄音機で流され、約二十人がやわらかな音色に酔いしれた。（戎野文菜）

　ベートーベンの交響曲第九番やメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲など、クラシックの名曲四曲が流された。参加者は体を揺らしたり、つま先でリズムをとったりしながら聞き入った。会場には、この日使われた蓄音機「クレデンザ」の隣で、高山さんがたたずむ写真も飾られた。

　高山さんは、古生物学の研究をしながら、クラシック音楽にまつわるエッセーを本紙で連載。本も出版した。同館では八日市屋典之館長（６９）と金沢市出身のピアニスト、大野由加さん（５５）とともに三回、蓄音機でクラシック音楽を聴くコンサートを開き、講師を務めていたという。

　今回のコンサートは、高山さんへの感謝を込めて八日市屋館長が企画。大野さんがピアノを演奏し、生前の高山さんのユーモアある人柄をエピソードを交えて伝えた。高山さんが開いたコンサートに参加したことがあるという林外志博さん（７１）＝同市みずき＝は「音楽に詳しかったので、古生物学が専門だったと知らず驚いた。蓄音機はやっぱり、独特の味わいがあって良かった」と話していた。　