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「ミュージックテック」展望 音楽のハードルは下がり、権利関係も解決するか? - ビジネス+IT

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音楽はこれまでよりもさらに身近になっていっている

(Photo/Getty Images)


楽譜はすべてタブレット1台に

 ゲストパネリストとして参加したのは、さまざまな立場から音楽サービスを展開している3名。Piascoreの小池 宏幸氏は楽器を弾く人を増やしたいという思いからiPad/iPhone用の電子楽譜ビューアや電子チューナーを手がけている。クロスフェーダーの名波 俊兵氏は学生時代のダンス経験から、ユーザーが自身の動画を切り取り音楽にはめ込めるアプリ「ムビート」を展開。ANAGRAMの戸辺 タカトシ氏は、高校時代にクラブミュージックに傾倒し自ら作るようになり、そのときにできたクリエイターの友人たちを世に出したいという思いから18歳で起業。今はチームで音楽を制作している。
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イグニション・ポイント
カスタマーインサイトチーム アシスタントマネージャー
石井 正樹氏
 ファシリテーターは鈴木 けいすけ氏とともに、イグニション・ポイント カスタマーインサイドチーム アシスタントマネージャー 石井 正樹氏、タレント 黒田 有彩氏が務める。

 ディスカッションのテーマは「音楽とテクノロジーの掛け合わせ」。技術の発展によりどれほど音楽の楽しみ方が変容したのか、未来はどうなるのか、が焦点になる。

 鈴木氏は「僕らの時代は音楽を楽しむためにCDを買うのが普通でしたが、今はダウンロードが一般的ですよね」と語り、黒田氏も「たしかに、『初めて買ったCDはなんですか?』という質問は最近の子にはしなくなったような気がしますね」とうなずく。

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タレント
黒田 有彩氏
 今回のゲストはまさにテクノロジーと音楽を掛け合わせた事業をしている面々である。小池氏はデジタル化によって生まれた音楽業界のメリットについてこう語る。

「以前は楽譜は紙で持ち運ぶのが一般的でした。1曲分でもそれなりに重量があるので、演奏者がツアーなどをまわるとなると、かさばって重たい楽譜を大量に運ばないといけない。ですが今はタブレット1台あれば済んでしまう。データで保存できるから楽譜紛失もなくなります」(小池氏)

 動画アプリ「ムビート」の開発に携わっている名波氏は、その技術についてこう語る。

「動画に音楽をつけるアプリはいくつもありますが、『ムビート』は逆に動画を切り取って音楽に当てはめる仕組みです。動画アプリ界隈の中では最速で編集ができると評判です。ボタンを押してちょっとだけ待てば出来上がる。ユーザーが簡単に使用できることを重視して開発しました」(名波氏)


 また戸辺氏は、テクノロジーによる音楽業界の収益モデルの変化についても言及する。

「僕は音楽を作っている立場の人間なので、自分で曲を作って発表するときはSpotifyなどのストリーミング機能もよく利用するのですが、以前まではアルバムであったり、もしくは一曲単位での購入が多かったのですが、ここ2〜3年で急激にストリーミングの売り上げが上がってきました」(戸辺氏)

煩雑な権利関係もテクノロジーで解決?

 冒頭の議論では、テクノロジーの恩恵が認められる一方で、音楽業界の収益モデルが抱えるボトルネックの存在も挙げられた。それがJASRACである。2000年半ばからJASRACの出現により音楽を気軽に使用することができなくなった上に、すべてを把握しきれていなかったり、値引き問題が発生したりなど、管理面での不十分な部分がある。

 鈴木氏も権利関係についてはひとつの課題感を抱いていたと語る。

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衆議院議員
鈴木 けいすけ氏
「海外の人たちが日本の音楽を利用しようとしたとき、手続きがわかりにくいという問題もあります。音楽を楽しみたい人が版権などの障壁によって参入できないということがなくすことができれば、マーケットももっと大きくなるかもしれない」(鈴木氏)

 一方で、戸辺氏はJASRACの功績や努力を認めながらも、権利関係の整理が不十分である状況はテクノロジーが解決していくかもしれないと答える。

「将来的に有望なのが、ソニー・ミュージックエンタテイメントが昨年発表しているブロックチェーン技術を用いた著作権管理サービスです。今まではどの結婚式でどの曲が何回使われたか、といったローカルな回数は厳密に測定することが難しかったのですが、ブロックチェーンやIoT、クラウドなどが進化してくると、今まで測定できなかった小さなケースもしっかりと把握できるようになるかもしれない」(戸辺氏)

【次ページ】日本で大規模な音楽サービスが興る可能性は?

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February 26, 2020 at 04:10AM
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